04年 1月28日〜2月2日

最近の子供はどうか分らないけど、今の大人の多くはガキの頃に日記を何日か書いた経験があるのでは?
斯く言う私もその一人、当然この日記も不定期です。 (2001年8月19日、記)


04年 1月28日(水)   2004年1月26日、コイズミ石破くん、陸軍本隊と海軍にイラク出兵命令

 本日の1本目。

 小泉ソーリが予定通り承認した。
 石破軍事オタク国防ダイジン防衛庁長官が、陸軍(通称リクジ)本隊と海軍(通称カイジ)にイラク出兵命令を発令した。2004年1月26日夜のことだ。

 その日、残業帰りの僕は、夜遅くなってから、ビデオ録りしてもらってたNHK7時のニュースを見た。未だ件の命令が発表されてない段階だったが、もうすぐ公表されることを前提にニュースをやっていた(番組の最後の方で命令の速報が入ったけど)。

 NHK7時のニュースのアナウンサー氏曰く、「どうして今日命令されることになったのでしょうか?」
 防衛庁だったか国会前だったか詰めの記者氏曰く、「それはですね・・・ウンヌンカンヌン・・・」

 おいおい、あんたらNHKを含めて、つい先週末だったかリクジ先遣隊の一部が帰国して、正味1日半のイラクはサマワ滞在の政府(石破くんだったっけ?)への報告を報道し、26日の月曜にも石破くんが小泉ソーリに報告、小泉くんが公明党のいカンザキと会談(茶番劇!)した後に承認、26日中にも石破くんが命令を出す「予定」ってことも報道してたじゃん。

 こういう、知ってるくせに質疑応答形式で見せるのって、何か固有の目的なりミッションなりがある企業等の法人の「広報」なんかで見られる手法だよね。ホームページとかでもよくあるFAQ(よくある質問と回答ってやつ)と似たようなもんです。分かりやすく疑問に応えるかたちを演じて、「広報」や「営業」に役立てるわけ。これ、「広報」や「営業」としてはいいと思うよ。

 だけどNHKニュースってさ、国策「広報」会社ってわけじゃないんでしょ、一応。あれじゃね、ジャーナリズムじゃなくて「広報」、ああいうことはニュース番組がやるんじゃなくて、内閣広報室(だっけ?)がやることでしょ。ニュースはジャーナリズムしてくれよ、ちゃんと。物事を批評しないわけ?

 上のNHKニュースのやり取りは、ジャーナリズム「的」Q&A形式なら本来こうです。
 ニュース・キャスター氏曰く、「やはり政府の予定通り、今日の命令発令ということになりそうでしょうか?」
 防衛庁だったか国会前だったか詰めの記者氏曰く、「そうですね、やはり自民・公明の両与党党首会談も予定通りの内容だったようでして・・・ウンヌンカンヌン・・・」

 まぁこう言ってくれりゃ、多くの人が「ふーん、政府のシナリオ通りにってことか」って分かるでしょ。 ん? 予定? それは読んで字の如し、ですがな。 「 予め定める 」、 「 アラカジメ・サダメル 」って書くでしょうが。 事実じゃん、政府・与党は 予め定めたシナリオ 通りに演じてるだけなんだから。 この茶番劇映画のシナリオ・ライター兼 助監督はコイズミとその取り巻きたち(コイズミはアホだから一人じゃできないもんね)。 監督はもちろん、アホ・ブッシュとその取り巻きたち(理由はコイズミのケースと同じ、アホ比べはイイ勝負か・・・)。

 僕は社会的立場ってのが「社会的には」重大でない身(もちろん僕的、僕ら的には重大だぜよ)、そこでWWWに向かって吠えてるだけって思われるかもしれませんが、まぁここでも読んでくれてる人は何人か、 約1,000万人ぐらいだったかな(笑)、とにかくいるんですよ。それにまぁ微々たることとは言え、黄色いリボンも着けております。他にもなんかしてます、なんか。

 マスコミの皆さんも、政府「広報」じゃなくて、ジャーナリズムするのが目的なら、そうしたい意思があるんなら、ジョン・メレンキャンプとかニール・ヤングとか、一度一日ぶっ通し聴いてみてさ(「聞く」じゃなくて「聴く」ね)、早いとこロック・スピリットもらってみてよ。いいっすよっと僕は思っております。ジャーナリズムにもロック・スピリットに共通する attitude が必要じゃないかと思うんですよ。スピリット・オブ・ジャーナリストでも、ジャーナリズム・スピリットでも呼び名はどっちでもいいですけどね。 事実は事実、それをウソ偽りなく伝えるときに、どういう斬り口、どういう姿勢( attitude )で伝えるのか。そこが重要かと思うのです。
 ま、音楽は好き嫌いあるでしょうが、いやね、僕はとにかく好きなんですよ、ロック・スピリットを感じさせてくれる音楽が。そんな音楽が好きだし、そんな表現者の表現行為が好きですね。別に社会的メッセージがあるからいいってんじゃないっす。まずは音楽なんだから、ロック・スピリット、ロックの attitude を感じさせるってのは、表層的なメッセージを捉えて言ってるわけじゃない、自分はそう思ってます、音楽聴いてますから、ちゃんと(!)。  はぁ、ま、勝手に感じて生きていきますけん。でもジャーナリズムだとしたら、とにかくジャーナリズム「として」やってください。僕はできるだけ僕をします。最近マイ・ブーム(ひぇっ、こんな旧くてダサイ言葉使っちまったぜ、冗談ね)は、attitude って言葉ですね。トム・ペティさん、ありがとう。
 僕は僕として生きます


04年 1月28日(水)   日本国イラク向け米帝支援金

 本日の2本目。

 26日の衆院予算委員会採録(27日朝日朝刊掲載)より。

 首藤信彦(民主)曰く、「補正予算案に盛り込まれたイラク復興支援の資金の拠出先に、米英の暫定占領当局(CPA)はあるのか。」
 川口外相 曰く、「CPAには資金援助をしない。CPAにODA(政府の途上国援助、ママ) を供与することは政策として考えていない。」
 秋山収 内閣法制局長官 曰く、「資金提供は武力の行使ではなく、CPAに資金を提供することは憲法9条との関係で問題ない。」

 えーっとですね、つまり、この3人のやり取りを総合すると、たぶん、コイズミくんの自公党政権としては、日本国はODAの予算枠では米英のイラク占領当局に資金援助しないけど、それ以外の政府予算からだったら米英のイラク占領当局に資金援助しても法的には大丈夫なんじゃないかなーっと思ってて、やる可能性ありますよー、っつーか、いつやったっていいと思ってますよーって方針なんだね、きっと。旧「大英帝国」はともかく、アメリカ帝国にはとにかくお金でも支援しなくちゃって、まぁこう思ってるんでしょ? ・・・ああ早くまた投票したい、他の党に。


04年 1月28日(水)   米帝・茶番劇の主演させられ女優賞ナイラとジェシカ

 本日の3本目。

 忘れてましたけど、昨日の朝日の記事で思い出しました。

 10年以上前(何年だっけ?)の湾岸戦争のときの茶番劇。
 イラクのクウェート侵攻から2ヵ月後、アメリカ議会の公聴会で15歳のクウェート人少女ナイラが、クウェートから奇跡的に脱出してアメリカに逃れてきた少女と称し、「(クウェートの)病院に乱入したイラク兵が、生まれたばかりの赤ちゃんを保育器から取り出して床に投げ捨て、15人が死んだ」と証言した。

 ところが後になってバレた。バレてみれば本当にバレバレの話。隠し通せる方がおかしい。

 このナイラと称す少女、実は当時の在アメリカのクウェート大使の一人娘で、アメリカで育ち、なんとクウェートには行ったこともなかった。PR会社の演出に乗っただけの茶番劇だった。PR会社って、もちろん利益も得られず勝手にそんなことするはずないよね。もちろん当時のパパ・ブッシュ政権が発注先でしょ?

 もうこの話忘れかけてたけど、今回のアメリカのイラク攻撃での イラク攻撃・従軍アメリカ女性兵士ジェシカ・リンチ電撃的救出作戦成功というお題の茶番劇 の方もそのうち忘れちゃうのかなぁ。

 いや、ベトナム戦争時の北爆デッチ上げ理由、トンキン湾事件の茶番劇は今もたまに新聞とか雑誌に書かれるし、残るよね、こういう話。

 イラク攻撃の攻撃開始時の理由だったイラク大量破壊兵器(そもそもコレで即爆弾落としてイイ理由になるわけはないんだけど、一国が勝手にそんなことしたら世界はむちゃくちゃでしょ、今みたいに・・・)に関する情報操作の件もそう。

 アメリカ政府って、本当に平気でウソつくよね。とんでもねーや。僕はアメリカのアーティストとか好きな人多いし、彼らが表現する freedom とか attitude とかも好きなんだけど、こんな今のアホのブッシュ政権なんかは別の話。こんな国の権力に盲従するコイズミくんも早く政権から降ろしたいんですが、どうでしょう、日本国のミンドの高い皆様!


04年 1月30日(金)   アメリカのイラクWMD調査団長辞任したばかりのケイ氏の証言と日本国の反応

 本日の1本目。

 またまた、この人について。ずっと(新聞やテレビでね)追いかけている僕ですが、当サイトの日記では この日記 が直前です。

 もう追いかけなくてもいいかなと思うくらいはっきりしてきてるんですが、ちょっとだけ。簡単に記しときます。

 件の辞任直後の前団長(政治の世界なんかによくある実質更迭型「辞任」じゃなくてWMD見つからずで失望してのモノホンの辞任)、デビッド・ケイ氏は、1月28日付ワシントン・ポストとのインタビューで、フセイン政権が1990年代半ばにそれまで備蓄していた生物・化学兵器を極秘に廃棄したということを示す証拠を発見した、と語った。ケイ氏は、イラクが、兵器保有が持つ外敵威嚇や外敵からの攻撃抑止効果の利点を、実際には保有しないまま、つまり兵器の維持コストがかからないままに得ようとしたと指摘しているようだが、であれば、アメリカのイラク攻撃開始前のサダム・フセインは、アメリカからの攻撃の可能性を十分に意識しつつも国際世論の反米化による停戦を期待するという危険な賭けに出ていたのかもしれない。

 デビッド・ケイ氏は同日、さらにアメリカ上院軍事委員会の公聴会で証言、昨年 3月のアメリカによるイラク(侵略!)攻撃開始時点でのイラクWMD保有を確信した(アメリカ政府の)判断は誤りであり、また、生物・化学兵器の備蓄の証拠も一切なく、備蓄がなかった以上シリアに移動したりもしていない、そう断言した。テレビで見るケイ氏の顔には余裕さえ見えた。

 この人が一方で、誤った判断をしたと見る情報機関の責任を強調して慎重にブッシュ政権自体の責任を問うことを回避し、イラク攻撃そのものの判断については、フセイン政権がWMDを開発、使用する「意図」を持っていたこと自体は「脅威」だったとして武力行使による政権打倒を企図したブッシュの判断は支持すると取れる考えを示していることについては、さすがに現(団長辞任と同時に元?)CIA顧問の限界ではある。

 しかし、僕らははっきりと知っているし、記憶している。ブッシュは、イラク攻撃の際には、サダム・フセイン政権はWMDを保有しているのに国際社会や国連による査察を欺こうとしており、アメリカはそのイラクのWMD武装解除をするのだと断言していた。それが彼の「理由」であり、ブッシュが世界を欺く(ニセモノの)「大義」だったのだ。
 そもそもWMD保有がイコール空爆正当化になるはずもないが(しかも国際社会、国連の了解も決議も無かった)、ましてや外国のWMD開発、使用の「意図」だけで戦争が正当化されたら、世界はもうムチャクチャ、弱肉強食の無法地帯だ。
 ブッシュたちは今、WMD保有を言わず、サダム・フセイン排除でアメリカと世界は前よりは安全になったと言って「結果論の正当化」を主張してるね。でもこれもウソだ。たしかにサダム・フセインは民主的な言論や表現を弾圧する凶悪な独裁者だったのだろうが、アメリカのイラク攻撃でアメリカと世界は本当に前より安全になったか。答えは否である。アメリカは、世界は、アメリカのイラク攻撃で以前より危険になったのだ。実際に現在の状況がそれを示しているが、それだけでなく、こんな先制攻撃戦略の実行が許されるとなれば、世界は今後も恐怖と相互不信による暴力の連鎖を止めることができないだろう。

 さて、最後に我が日本国のコイズミ総理くんと福田カンボーチョーカンくんの反応を記録しておきましょう。
 コイズミ曰く、「でも、無かったと断言はできないでしょう?」
 福田曰く、「でも、無いという保証は無いでしょう?」

 ・・・・・いやはや。


04年 1月30日(金)   タカに見えた人がハトに見えること

 本日の2本目。

 昨日の朝日朝刊報道から。

 元自民党衆院議員で元郵政大臣の箕輪登という人が、今月28日に、国を相手に、自衛隊イラク派遣の差し止めと慰謝料を求める訴えを札幌地裁に起こしたという(この人現在79歳で小樽市在住)。日本に対する侵略がないのに外国で武力を行使するのは憲法(9条)違反、今回の武器は重装備であり使用すれば海外での武力行使になる、イラク国内は全土が戦闘状態で国際法上交戦規定が適用される(米英の)軍事占領下にありイラク特措法の条文にある「非戦闘地域」の要件も満たしていない、これらが主張されている主な理由のようだ。そのうえで、日本人がテロの標的になる可能性も増大して国民の平和的生存権が侵害され、さらには他国の人々に対する権利侵害にも加担させられることによる耐え難い精神的苦痛を訴えて慰謝料を請求している。慰謝料1万円の請求には、不法行為であるかどうかの本質を審理してその判断を求める意味を込めたとのことだ。
 この裁判には、北海道内の弁護士421人の約4分の1、弁護士106人が原告代理人に名を連ねているというから相当な迫力を感じますね。

 新聞によれば、箕輪氏は現役時代はいわゆる「タカ派」として知られた(元)政治家だそうだが、僕はこれを興味深く想う。というのは、この人は「タカ」から「ハト」に転じたのではなく、おそらく本人は何も変わっていないと想うのだ。彼が変わったのではなく、世間が変わった。世間が「タカ」化したために、以前は「タカ」と見られ、あるいは「タカ」のレッテルを貼られた人が、そうは見えなくなってきているに過ぎない。
 しかし、上に「・・・に過ぎない」と記したが、このことはかなり重いと僕は考える。世間の変化も重いが、この人が筋を通していることも重い。野中「翁」を見よ。後藤田「翁」を見よ。
 「タカ」とか「保守」と言われる人のなかに、ぶれの少ない一本の筋を感じさせる人が少なからず存在する。僕は今のところ現「民主党」を最悪の「自民」「公明」政権を終わらせるために応援したいと考えてはいるが、民主党の若手にも、自民党の若手にも「軍事オタク」あるいは戦争を無意識としてもゲーム感覚で論じかねない雰囲気を感じる時がある。そのうえ社民党はてんで頼りにならない。・・・ま、共産党はけっこう言うことはブレないけどね、ただ「パンツきれいにしよう」とか「外で飲むのは控えよう」とかワケの分かんねぇこと言ったりする党だからねぇ・・・。

 いまや保守や旧「タカ」の一部に筋金入りの、ウソのない積極的平和志向を感じたりするってわけだ。保守や真正右翼は案外強いかもよ。お題目だけのえせサヨクよりずっとまともだよな、たぶん。反ってラジカルだったりして。

 ・・・僕? 僕は左翼ですよ。生まれつき右利きですけどね、真正左翼のつもりで真正保守に共感を感じる今日この頃であります


04年 1月30日(金)   経団連のお下品な政党品評結果

 本日の3本目。

 これも昨日の朝日朝刊報道から。

 経団連のおっさんジイサン連中が自民党と民主党の品定めを発表した。正式名称は日本経団連ですか、会長の奥田センセイ(トヨタの会長さんですよね)の会見によれば「自民党は85点。民主党は50点以下」。
 経団連の総評のなかの一文が笑えるね。自民党は「1955年の結党以来ほぼ一貫して与党で、政策立案・推進の面で能力は高い。」だと。
 おまえらアホとちゃうか? 利権欲しそうな本音がスケスケの透け透け、利益誘導のお企み、おタクラミがバレバレでタチクラミ感じるくらいだぜ。

 もう一文紹介しましょうか。自民党は「企業献金についての考え方は経団連と一致。」だってさ。会員企業からの献金のアッセン、斡旋を再開したいんでしょ、早く。・・・ お下品な品評会はやめろっつーの。天下のトヨタの会長の顔が思いっ切り貧相に見えてきたぜ。自民党に高得点つけて献金アッセンちらつかせるんなら、そんな金はオタクらの商品を安くするか労働者の賃上げもしくは雇用確保に使えってーの。


04年 1月30日(金)   カフカ「変身」の虫ならぬ、岩(ロック)

 本日の4本目。

 昨日の話。朝起きると僕は、岩になっていた。動かない。起きれない。しばらく眠って何とか起きたものの、昨日はちょこっと久しぶりの9時出勤しようと思ってたのに、ここんとこ続いてたフレックスのコア10時どころか11時出勤になっちまった。

 カフカ「変身」ってさ、僕は「変態」って言っちゃったんだけど、仏文専攻の同僚女性に。恥っすね。「変態」ってもちろん、あの、虫が幼虫、サナギ、成虫と「変態」する「変態」のことなんですけどね。僕は読んでないものの、カフカの「変身」はあまりに有名なタイトルっすよね。
 昔々の学生時代、たぶんカフカ「変身」のパロディだったんだと思うけど、「朝起きると、僕は岩になってた」だか「石になってた」だかの出だしの短編小説読んだような見たような記憶があるんですよ。

 ま、とにかく昨日はなかなか起きれなかった。岩は rock 、石なら stone 、転がせば「転石」rolling stone 、なんにしてもロックでしょうか。うーん、結局起き上がって朝を始めたんならロックですか


04年 1月30日(金)   今夕の二郎さん「神経科」日誌

 本日の5本目。

 昨日の朝の事情 を話し、ヤクが変わった。寝床につく前の2種2錠は変えず、夕方だけの投薬分はやめてみることに。

 とにかくできるだけ規則的に、遅くならないように寝床についてください。そ、そうですね。
 他にもやり取りはあったけど今日はもう面倒。こんなとこでHTM語のペン置きますわ


04年 1月31日(土)   2004年1月31日未明、イラク派兵、衆議院本会議にて「自民」「公明」与党強行採決による「承認」

 本日の1本目。

 ただ今 2004年 1月31日の午前1時15分。さっき、NHKの速報ニュースで見ました。

 イラク派兵につき、衆議院本会議で、野党欠席のまま、過半数「自民」「公明」与党でシュクシュクと強行「承認」採決。午前1時前だったようで。

 昨日、衆院イラク復興支援特別委員会(なんか名前が偽称っぽいよな・・・)を2日間の質疑で与党強行採決、その後与野党間でモメてたようだけど、結局未明の本会議、強行採決。

 本会議は、野党の欠席以外は、加藤のラン加藤、遺族会カイチョウ古賀の二人が途中退席、死刑反対の議員連盟もやっております亀井のじいさんは最初から欠席。 他の自民党議員? 公明党? そりゃもうみんな賛成なんじゃないかい。
 とにかく、このアリサマ、よーく憶えておきたいと思います。・・・で、とにかく何とか考えてかなきゃ、何とかしてかなきゃ、とは思うのです


04年 1月31日(土)   マイケル・ムーアのこと

 本日の2本目。

 今日は WOWOW でマイケル・ムーアの特集があった。GMに突撃取材した「ロジャー&ミー」、アメリカの状況を国名変更で皮肉った際の新国名案をそのままタイトルにした「ザ・ビッグ・ワン」、昨年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞のオスカーを取って話題となった「ボーリング・フォー・コロンバイン」、そしてTVシリーズ「マイケル・ムーアの恐るべき真実」the Awful Truth with Michael Moore 4回分。

 「ロジャー&ミー」はマイケル自身の故郷ミシガン州フリントでGMがメキシコ進出に伴って工場閉鎖、大量の失業者を出したことをきっかけに、マイケルがGM会長を追いかけまくり、企業の公共性の問題を追及するドキュメンタリー。単純明快な迫力に引き込まれます。
 「ザ・ビッグ・ワン」は日本では劇場未公開らしい。企業批判がストレート過ぎて配給が難しかったとかかねぇ。最後の方でナイキ会長インタビューがあるけど、ナイキ側もよく受けたね。っていうか、映画によれば、インドネシアの工場での少年少女・低賃金労働等で悪党扱いされたナイキ会長側が仕掛けてきたような感じなんだけど。で、やっぱマイケルの「押し」には負ける。あれには勝てない。ナイキの(CEO然としない)カジュアルな雰囲気の会長が、「労働者の中からもいずれ出世するものが出てくるだろう」って言うシーンがあるんだけど、このセリフはおそらく、マイケルがマイナス評価するところのアメリカン・ドリーム神話を示すものなんだろうな。アメリカ社会の現実は一握りの成功者には楽園だが、圧倒的大多数にはどうなのか・・・。マイケルが言いたいことの一つかもしれない。
 これらの主張はシンプルで、少なくとも例えば「シニカルなリアリスト」的な人には、バカらしいほどシンプルに聞こえるんじゃないかと思う。だけど、そういう人は、シンプルでストレートなマイケルの疑問をぶつけられた時、結局それに分かりやすく答えられないんじゃないかと思う。いろんな専門用語を駆使して、煙に巻くような説明をするのが「落ち」だったりするかもしれない。「現実は違うよ」、そう言って深く考えないままに切り捨てているワケの分からない「諸般の事情」みたいなものが、実は人々がただ面と向かうのを回避しているに過ぎない「シンプル」なことなのかもしれないのだ。・・・ただ、人々が「シンプル」なことに面と向かうのを回避する、その背後に何かヤヤコシイことがあるのかもね。結局、僕のも煙に巻く喋り方かね。真にリアリストになるのにはパワーが要る?

 「ボーリング・フォー・コロンバイン」は相当に深く入ってます、アメリカ社会の底深く、奥深く、力強く。銃の問題を取り上げたわけだけど、コロンバイン高校乱射事件のサヴァイヴァーと共に交渉してKマートの商品から弾丸を除外することに成功、最後には全米ライフル協会会長のチャールトン・へストンに突撃取材を敢行。マイケルは本人の豪邸を訪ねてインタビューし、インタビューの場から立ち去るヘストンを追い、豪邸の敷地に、故郷フリントで6歳の少年に銃殺された6歳の少女の写真を残して去る。マイケルはドキュメンタリーを通して、銃規制の必要と共に、この問題の背景にある、アメリカ社会に内在する誇大妄想化した人々の恐怖心の在り処をえぐり出す。力作です。

 TVシリーズ「マイケル・ムーアの恐るべき真実」the Awful Truth with Michael Moore 4回分。これ、大傑作でした。笑える。銃の問題、死刑の問題(ブッシュ現大統領が当時知事を務めていたテキサス州と実弟が知事のフロリダ州が死刑処刑数を競う強烈なパロディ)、似通った政策を主張するようになってしまった二大政党のマンネリズム、対立候補のいない不毛な選挙、余裕がある時だけ貧困層にパイを与えるという「優しい保守主義」、中絶を全く認めない超保守主義運動のテロリズム・・・ アメリカ社会が直面する現実を痛烈に皮肉り、現実を見ないものたちの愚かさにユーモアを込めて対峙する。っていうとカタイな、実際のところ、相当に笑えます。現職議員も企業の実名もお構いなし、ここまでTVでやれるってのは日本じゃ考えられない、よな。うーん、覚悟を感じさせる批評精神、これもジャーナリズムじゃないでしょうか。

   僕がマイケル・ムーアの名を「きちんと」記憶したのは、昨年のアカデミー賞オスカー受賞スピーチを(たまたま)テレビで観た時からなんだけど(その前に、僕は読んでない「アホでマヌケなアメリカ白人」Stupid White Men で日本でも名前がメジャーになってきてた)、あれ、つまり「ボーリング・フォー・コロンバイン」でのオスカー受賞の時のスピーチは本当にビューティフルでしたね。当時の日記 でも取り上げたけど、実際、本当に痛快なスピーチでした。当サイトの リンクの OTHERS でもマイケルの公式サイトとその日本向け抄訳サイトを紹介して、そこにスピーチの一部を載せてるんだけど、しつこく今日の日記にも写してしまいます。

We like nonfiction and we live in fictitious times. We live in the time where we have fictitious election results that elects a fictitious president. We live in a time where we have a man sending us to war for fictitious reasons. Whether it's the fiction of duct tape or fiction of orange alerts we are against this war, Mr. Bush. Shame on you, Mr. Bush, shame on you. ・・・

 僕はこれをこんなふうに訳します。

「僕らはノンフィクションが好きなんだ。にもかかわらず、僕らは今、虚構の時代を生きている。でっちあげられた選挙結果でイカサマ大統領が選ばれる時代に生きているんだ。その男が虚構の理由をでっちあげて、僕らを戦争の世界に送り込もうとする時代に生きているんだ。だけど、いくらダクト・テープの虚構やオレンジ色警戒レベルのウソを仕立て上げてたって、僕らはこの戦争に反対だぜ、ブッシュさんよ。恥を知りなよミスター・ブッシュ、恥を知りなってんだよ。・・・ 」

 マイケル・ムーアは、2003年 3月23日のアカデミー賞授賞式で、オスカーを手にしつつ、歓声とブーイングを浴びながら、こう言ってのけたわけです。

 マイケルはここで、ブッシュ大統領選出の選挙のイカサマぶりと、虚構の理由によるイラク攻撃、ほぼその2点にしぼってアホ・ブッシュを批判、非難しているけど、このへんはジョン・メレンキャンプの昨年発表の曲 TO WASHINGTON にも共通しているところ。

 さてさてところで・・・ マイケルが昨年出版して話題になった Dude, where's my country ? の邦訳「おい、ブッシュ、世界を返せ!」136頁に掲載されてる、マイケル100歳のセリフが好きだ。マイケルはこの部分を含む章で、自分が見たという夢の中に入り、2054年の100歳の自分の姿になって(まぁ本だから絵はないんだけどさ、笑)、曾孫の女の子の質問攻めに合っている。下に引用するのは、その中の一節だ。

曾孫   「ママから聞いたけど、ひいじいちゃんは <石油戦争> のどれかのとき、何か大声で叫んで、何分間か有名人になったんだって? いまはこの古い写真が一枚しかないけど、ひいじいちゃんは口をあけて、何か指さしてるでしょ。指を二本使っちゃって! なぜそんなに怒ったの? 石油のこと?」

マイケル 「うーん、あのことはね、ひいばあちゃんから、わたしが生きてるうちは話題にしないでっていわれてるんだ。あの夜、ひいばあちゃんは正装してね、そりゃもうきれいだった・・・・・・ さあ、その写真をこっちへおくれ。頭の中でまたブーイングの声が聞こえてきちゃったよ!」

 僕はこのセリフが好きだ。マイケルのここの言い回し全てがいいんだけど、なかでも、「 あの夜、ひいばあちゃんは正装してね、そりゃもうきれいだった 」って言うところがいい。

 ニールヤングが GREENDALE のなかの最初の曲、falling from above で、

 A little love and affection
 In everything you do
 Will make the world a better place

 って歌ってる部分があるけど、マイケル・ムーアは、その A little love and affection を持ってるなって想う。そう感じることができるね


04年 2月 1日(日)   陸軍本隊、隊旗授与式コイズミくん出席

 本日の1本目。

 先程、リクジ本隊のイラク派遣を前にして、イラクに派遣されるリクジ本隊への隊旗授与式というのを旭川駐屯地でやっていました。「やっていました」っていうのは、昼12時のNHKニュースでコイズミ訓示みたいなことを生中継してたもんですから。

 冒頭で「政治で最も大事なことは国民の生命と安全を守ること」と明言しつつ、「諸君はイラク国民の支援のために行きます」「戦闘行為はしません」「武力行使はしません」と派兵される兵士達を前にドードーと断言、「日米同盟と国際協調、その日本の大事な方針を口先でなく行動で示してくれるのが皆さんです」とも言い切り、「将来、イラク国民から感謝されるように」とか「家族の方々が一番心配し、また誇りに思っていることでしょうが」、「日本国民の間にはイラク派遣自体は賛否両論ありますが、政治的には賛成でない国民も心の中では皆さんに声援を送っています」等々・・・。そう長くもなく短くもない挨拶のなかで文脈的あるいは語意的につながらないような話にまとめ、そこには国民である兵士達の生命を左右しかねない責任を持つ最高司令官としての緊張感や、また一国の総理大臣、政治のリーダーと改めて示すべき国のビジョンに触れるような崇高な話も全く無し。もっとも、普段から示していれば文字通り「改めて」となるが、普段は何も語っていないのに、こういう段になって突然ビジョンを語りだしたりしたらそれもコワイけどね。まぁ、実際無いんでしょう。派遣される兵士達の個々の心情はわからないけれども(誇りを持ってという人もいるだろうし国民一丸となっての応援が感じられないと不満がちな人もいるかもしれない)、そういう個々の心持ちはこれまでの個々の人生で形作られてきた部分も小さくないわけだから、僕はそのこととかかわりなく、僕個人の心情として、彼らに同情しています。

 式典での隊旗授与は12時ジャスト辺りに石破軍事オタク防衛庁長官がやっていたが、コイズミ訓示はウマイこと12時少し過ぎから。昼12時のNHKニュースにぴったりハマル時間で、コイズミ訓示部分は見事にニュースの中で生中継していました、ノーカットでね。ま、最初からそういう予定だったんでしょう。

 予定と言えば、今日の夜の9時からのNHKスペシャル50分番組で、リクジ派遣特集をやるようで、本日の新聞のTV番組欄のNHK同時間帯のところにNHKスペシャル「陸上自衛隊・イラク派遣」「ある部隊に4ヶ月密着」「隊員が任務・命・家族を語る」との文字が躍っています。僕は見るつもりないけど(見ておいた方がいいかもしれないけど、まぁ何となく見そうもないな)。
 で、うちは数あるTV雑誌の中で「TVBros.」ってのをいつも買ってるんですが、手元の「1/24−2/6」号の本日「2/1(日)」の夜9時NHKスペシャルの欄には「(都合により内容は未定です)としか印字されていません。
 というわけで、これも「予定」していたわけですが、ここにも何やら「諸般の事情」があったんでございましょう。

 予定と言えばもう一つ、1月31日(土)未明の衆議院本会議での派遣「承認」強行採決 も、本日2月1日(日)に「予定」していたリクジ本隊への隊旗授与式に間に合わせるための「予定」貫徹として強行されたってわけですね。それはもう間違いないと我ら一般国民の一人に過ぎぬ僕も断言していいと思いますが、今晩9時のNHKスペシャルもコイズミいカンザキ(後者も本日の式典に出席しておったそうで)・ラインの「射程」に入ってたりしてね。  リクジ本隊は2月3日(火)に第1派の施設部隊約80人が政府専用機で新千歳空港から出発、サマワで宿営地の設営などにあたるそうですが、えーと・・・ 参議院での採決の日なんてもうどうでもいいや、参議院なんて期日も最初からほとんど気にしてなかったし、世論もシッカリ既成事実になびいて来てるし、この期に及んで野党がいうこときかないで先延ばしでもすれば、「ハイレベルのミンド」の日本国民は、大方はみなさんは野党を「信用しなくなる」だろうし・・・。  意識するにせよしないにせよ、コイズミくんとその取り巻きの本音はこんな感じでしょ?


04年 2月 1日(日)   attitude 、attitude and action 、 over and over again

 生命 (いのち) は本当にかけがえのないものだから、ずっと生きてゆくことです。

 答えは風のなかにある ようなので、生きて風に当たっていけばいいでしょう。就寝には修身教育は不要です。執心も就寝を妨げる場合があるようで。パラノイド・スキゾフレーニアとは今も付き合っておりますが、パラノイド・スキゾフレーニア・ハイはあるような無いようなで分かりません。首と腰の椎間板さんともお付き合いしておりまして、ビタミン錠メチコバールは愛飲(?)しております。ヤクを飲み、キーを打ちます。

 金色の心や、自由の値はいい歌ですねぇ。いつか、僕は解放されます って歌にも勇気づけられるところがあって、まぁとにかくこの世に音楽ってもんがあってよかったです。

 粘っこく生きましょう。勝手に生きましょう。愛する家族と共に。
 勝手に行きますわ。「ロックな日常を」求める attitude と共に。
 この 日本国南東北 でずっと勝手に生き続けますんで


04年 2月 2日(月)   イラクWMDにおけるアメリカのイカサマ、その前史

 今日、始業前に職場の喫茶コーナーでTVをつけ、久しぶりにスコット・リッター氏の名前を聞き、顔を見た。1990年代、当時の湾岸戦争後の7年間行なわれた国連の委員会によるイラクWMD(大量破壊兵器)査察、その査察委員会で査察官としてイラクでの任務にあたった人だ。
 彼は中途で査察官を辞任した。抗議の辞任。アメリカ政府が査察官のなかにスパイを送り込み、WMD査察の目的と関係のない、イラク政府の警備情報や安全保障上の情報をつかもうとしていたからだ。スコット・リッター氏はこの不正に抗議して辞任したが、当時のリチャード・バートン委員長はヤッキになって、リッター氏の主張を否定していた。
 長期独裁政権の権力の座にすわり海千山千の策士でもあっただろうサダム・フセインの政権のこと、そんなアメリカ政府への警戒心もあったことは間違いないと思われるが、当時のイラク政府は国連の査察に非協力的姿勢を見せることが多く、結局その査察委員会は最終的な結論を出せないまま、7年間で解散した。しかし、一説によれば既に90〜95%調べ上げ、WMDの証拠は何も見出せなかったと言われている。

 ちなみにその頃はアメリカはクリントン政権、あの美人とはとても言えない(差別的?)モニカ・ルインスキーとのスキャンダル発覚後、何を思ったか(狙ってはいたもののタイミング的には国民の関心を逸らしたかったのかどうか)、イラクを空爆したが、標的はサダム・フセインその人であり、「サダムへの」テロ(暗殺と言ってもいいけど)は失敗に終わったものの、アメリカがその時既に相当ハイ・レベルな機密情報を手にしていたことは確かだろう。

 昨年 3月のアメリカのイラク攻撃開始前に、あと数ヶ月あれば結論は出せるとしてアメリカによる武力行使に批判的だったブリクス委員長のイラクWMD査察委員会は、スコット・リッター氏が査察官を務めていた以前の委員会に代って、国連が新たに再編成した委員会。この時のイラクは時折り駆け引きをしつつも相当に協力的になっていて、数ヶ月前から軍を移動させて戦争を準備していたアメリカの動きと共に、世界が査察の成り行きを注視していた。

 当時、スコット・リッター氏はアメリカの戦争政策を批判する者の一人として、よくメディアに登場していた。・・・しかし最終的にアメリカは国連をも無視し、戦争を始めた。メディアも徐々にスコット・リッター氏を取り上げなくなっていた。メディアは常に移り気だ。そして人は忘れてしまうのだ。