03年11月 8日〜11月 9日

最近の子供はどうか分らないけど、今の大人の多くはガキの頃に日記を何日か書いた経験があるのでは?
斯く言う私もその一人、当然この日記も不定期です。 (2001年8月19日、記)

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03年11月 8日(土)   天木直人、佐高信、ノーマ・フィールド、加藤典洋

 本日の1本目。

 これは以下の2本に続くものです。
 前駐レバノン特命全権大使、天木直人氏の「さらば外務省」
 前駐レバノン特命全権大使、天木直人氏の「さらば外務省」、補記2点

 ただし今回のタイトルには、毛色を変えて(あっしは白髪混じりの黒髪ね、前は薄茶髪の時もあったけどねぇ)、4人の名前を列記した。
 まずは最初に4人(の人物もしくは考え方)への私の好感度について記しておこう(好き嫌いは人の勝手だぜ)。

 天木直人       : 好感。
 佐高 信       : 嫌悪感。(実はこの人、今日の文脈の中で単なるトバッチリ受けるだけ。)
 ノーマ・フィールド : 好感。
 加藤典洋       : 好感。

 11月 4日の朝日夕刊、選挙前の特集連載一環の「マニフェスト私流」のコーナーで、天木直人 の話が出てた。(談)となってるから、記者の聴き取り取材だ。
 見出しは「在日米軍を縮小・撤廃」。
 天木曰く、戦後日本外交の最大の誤りは、すべてが「対米従属」から抜けきれないことだ。コレはイイ。
 在日米軍の縮小・撤廃に反対する国民はいないはずなのに「日米安保による同盟関係が大事」とあきらめている。米国にそんなことを持ち出して怒らせたら、誰が守ってくれるのか。それ以上は問答無用とばかりに、議論が停止してしまう。コレも問題認識としてサンセイ(厳密には縮小・撤廃に反対する国民はいるんだろうけどさ)。
 外交は国民の願望を背に受けてやるもの。外交機密をかさにきて何でも隠すようなことをせず、情報公開に基づいた議論が不可欠。国民に目を向けた同盟の再構築はあり得る。コレも基本的にイロンない。リアリストのはずの天木がこのような可能性を言うことは分かる。

 しかし最後のはどうか。
 日にちを決めて交渉し、米国の世界戦略と合致する安全保障の構築が必要だ。
コレが最後の一文で、このあと(談)となっているが、本当に天木は、「米国の世界戦略と合致する」安全保障の構築が必要だなんて言っただろうか。「対米従属」外交を批判する天木が、一方でリアリストとはいえ、こんな言い方をするだろうか。朝日の担当記者さんよ、最近、耳かき不足じゃないかい? 朝日の担当デスクさんよ、目ヤニがたまってないかい?

 リアリストの天木なら、こう言うことはあるかもしれない。
 米国抜きにして我が国の外交政策を構築することは当面不可能だ。独立国として対等に対米交渉をしつつ、米国の世界戦略と調整しながらも、我が国独自の安全保障を再構築することが必要だ。

 天木の「さらば外務省!」(講談社)だが、11月 2日の朝日の「ベストセラー快読」という書評的コーナーで取り上げられ、最後の一文で「最後まで戦う新たな個性の誕生と期待しよう。」と書かれて全体としてプラス評価されつつも、途中でこんなことを書かれていた。
 なぜ直ちに「抗議の辞任」に打って出なかったのか? 天木は<討ち死に>の刻(とき)を間違えたのではないか。
 イラク攻撃の際のアメリカの外交官2人の辞任、イギリスの前外相による党役職の辞任に続けば、日本や世界の反戦の波に影響を与えただろうってわけだ。日本はともかく、世界には影響与えんよ。日本が天木が喝破する如く「対米従属」のクニであることは、もはや世界中に知れ渡っている。日本の世論に影響は出たかもしれぬが、世界は日本政府を動かそうとしても無意味だと思っている。日本人自身には日本政府を動かす義務と権利があるけれどさ。

 討ち死にの刻を間違えたという、件の擬似書評の苦言には、「余計なお世話」じゃないかと言いたい。
 一人の人間が外交官として生きてきて、折々に意志を貫きつつ「出世コース」から外され、しかし辞めないできて、最後に解任覚悟でイラク攻撃支持反対意見具申をした結果、辞めさせられた。それで十分じゃないか。ついでに言えば、内容がバクロだろうが何だろうが天木の勝手だ。辞めたこと(辞めさせられたこと)からくる解放感で、公憤私憤の入り混じったタッチの文章になってたっていい。件の擬似書評のように、全体として誉めておいて途中でちょこっとナンクセつけるってのはイカにもタコにも評論家っぽい手法だ。まぁ評論家先生であるならばそれでいいのかもしれないが、俺らパンジン(一般人)には「へー」ぐらいなもんだ。(注:この擬似書評書いたのは「ノンフィクション作家」です。)

 天木は日本の外交の権力中枢からは遠い位置にいた、というか、エライさんに迎合しなかったために主流から外されていたわけだし、その彼がどこでいつ辞めようが本人の勝手じゃないか。世間や世論や反戦運動の都合で自分の人生を動かすのは容易なハナシじゃないぜ。
 これから彼がどんな身の振り方するのかわからないが、どう生きようが(たぶんオカシナ変節はしない人なんじゃないかと思うけれども)、広い意味で人さまに迷惑かけさえしなければ、辞め時シオドキとかは他人からとやかく言われることじゃない。天木の現在の言動、言っている内容が評論されればよいのである。その人間が世間を動かすほどの「権力」を持っていたのでもない限り、その当人の人生の選択が他人から口出しされるイワレはないぞ。

 辞めといて出戻りした俺なんか、ホンモノの大馬鹿野郎だ。天木クラスの人生の選択にイチャモンつけてたら、俺なんか生きていけんわい(号泣、自爆)。・・・結局オレの問題かい・・・。

 ハイ、ここからちょっと 佐高信 にトバッチリ。
 昨日発行の「週刊金曜日」、佐高の「人物メモワール」のコーナーで「天木直人」が取り上げられた。天木から連絡があって、会食したんだという。佐高は「ただ会うのももったいないと思い、」 週刊プレイボーイに 「私(佐高)との対談という形で掲載してもらうことにした」とのことである。
 佐高が天木に「万事に芝居じみたオーバーアクションを好む小泉とは対極に位置する」人間臭さを感じたというのはイイ。天木と会う機会などない俺だが、たぶん的を得た人物像ではないかと思う。

 しかし佐高さんよ、俺はアンタは好かん。元弁護士の中坊が国民的人気を誇っていた頃は中坊を持ち上げ、彼がやや(?)変節した頃から批判的となっていった佐高だが、俺は何年か前、地元の書店でトンデモない佐高・中坊の共著を発見したことがある。発見っていうか、当時堂々と売られていた新刊本だと思うが、人気絶頂の中坊と共に佐高が書いたその本の醜悪さ、印象強すぎて忘れられんよ。あれはもう人気タレントの写真集だ。でかいサイズで頁数は少なくて、2人のでかデカ写真が多数掲載。なんか文章も出ているんだが、内容なんか憶えてない。文章の方で唯一憶えてるのは、最後の方の頁に、佐高の大学時代の経済学(だったかな?)の「学生」レベルに違いない論文が臆面もなくそのまんま掲載されていたってことだ。学生時代の論文だって堂々と注釈つけてね。卒論だってことだったと思うが、原稿の写真付きだったような気がするな(シューアク!)。

 俺はあん時思ったね。サタカって、なかなかに自己顕示欲が強い人間なんじゃないかって。学生時代の稚拙な論文ではあるが、なんて断り書きしながら載せていたようにウロ憶えしているが、みっともないよ。著名なモノ書きとかの学生の頃の論文の類なんかを、何十年も経ってから「そのまんま」リッパな出版物に掲載する価値があるとしたら、そりゃ普通「偉人」の伝記みたいなもんだぜ。ベートーベンが若い頃に書いた楽譜とかさ、坂口安吾の二十歳の頃の日記とかさ。なんかトッピな霊界、じゃなかった、例かい? 安吾は「偉人」かどうか知らんが、俺は好きなんでね。

 サタカは自分自身の「人物メモワール」でも書いてたつもりなのか。ま、とにかく俺はアレ以来サタカは好かん。口汚い罵り方で悪人を斬るのは気持ちいいだろうが、マトモな対案が彼の口から出てくるという印象は全くない。
 蛇足言うと、上の自己顕示欲の件ね、俺自身は本質的には持ってないと思うんだけど、けっこうねじれたソレなら自覚してるんで、ま、なんか心理は読める気がするんだな。とんだトバッチリでごめんな。

 ココで ノーマ・フィールド 登場。

 アメリカ人を父とし日本人を母としてアメリカ占領下の戦後日本、その首都東京に生まれ、現在はシカゴ大学教授。ずいぶん前に読んだ、「天皇の逝く国で」(みすず書房)の著者。沖縄の国体で日の丸を焼いた知花昌一、夫をいつの間にか出身の山口県の護国神社に祀られて自衛官合祀違憲訴訟を行なった妻の中谷康子、長崎市長時代に天皇の戦争責任有りと発言して右翼の銃弾に襲われた本島等らを取り上げて、「象徴」天皇をイタダク戦後日本の姿を浮き彫りにした名著の著者だ。

 新聞報道によれば、ノーマ・フィールドは、11月 3日(日本国憲法公布57年)のいわゆる護憲集会だと思うが、強まる改憲論に危機感を抱く市民団体の集会で講演に立ち、次のように言ったという。

 「米国では憲法を考える市民集会などほとんどない。日本の市民が憲法を自らのものにしようとしてきた戦後の重みを感じる。」
 「政権政党が長年、なぜ改憲に熱をあげてきたのか。そこに9条が果たしてきた戦争への強力な歯止め機能がある。」

 ノーマ・フィールドは尊敬すべき学者だが、戦後日本の「市民」への評価には異論有り(「一部」市民ということなら別だが)。憲法9条も、日本国民が戦後の長期「対米追従」政権を崩せずにきた制約環境のなかで、多くの護憲運動参加者の熱意に反して、結果として強力な思考停止機能を果たしてきてしまった。・・・その高らかな理想にもかかわらず。いや、というか、その革命的な「発想」は、現実追認主義者とリアリストの眼を失われた「理想」主義者のそれぞれの言動の相互作用によって、机上の「理想」と堕してしまったのだ。

 さて、戻り道しますが、エゴイスト左派のロック が2ヶ月近く前に書いたケンポウ雑文はココ。

 ちなみに 天木直人 は「さらば外務省!」(講談社)の中でこう書いている。そのまま引用しよう。
 「・・・ 憲法第9条の拡大解釈は歯止めなく進み、もはや憲法第9条は完全に形骸化してしまった。このような状態を放置しておくことは、法治国家としての日本をモラルハザードに追いこむばかりか、米国の軍事戦略に沿った日米同盟体制の果てしなき傾斜を、黙って許すことになる。」
 「しかし今や、平和憲法を守るためにこそ憲法改正が必要だという認識を持たねばならない時期にきている。憲法第9条を擁護し続ける平和主義者たちは、皮肉にも憲法改正を頭から拒否し続けることによって、政権政党と官僚による違憲行為をなし崩し的に許してきた。彼らは自民党と官僚が米国に言われるままに日本の軍事力を増強してきたことに、どんな効果的な対抗策も打ち出せなかったのだ。」
 「憲法論議で最も重要なことは、このまま日米軍事同盟を米国の言いなりに強化していくことを許すのか、あるいは本来の平和憲法の精神を明確にさせ、日本独自の安全保障政策を国民的合意の下に作っていくのか、いずれかの選択を迫られていることを認識することである。その際大切なことは、安全保障議論を政治家や官僚、学者に独り占めさせることなく、国民が最終的に判断し決定するという透明性を確保することである。」
 「もし国民の多数が、米国にわが国の安全保障を委ね、何があっても米国の軍事戦略に荷担していくしかないという選択をするのであれば、それはそれで日本国民の選択なのである。そのような選択をした結果責任を負うのも日本国民なのである。」
 「われわれの手で憲法第9条を書き換え、牽強付会(けんきょうふかい)の余地のない条文を持った平和憲法を取り戻すべきときが来ているのだ。」

 天木はこうも言う。
 「日本政府は、アジア諸国およびその国民に対して明確な形で謝罪をして、戦争責任のケリをつけるべきである。しかしその前に、天皇陛下万歳と叫んで戦争の犠牲になっていった多くの国民、敗戦の玉音放送を聞いてなお皇居に向かって土下座し涙を流した日本国民に対し、天皇陛下と日本政府は謝罪すべきなのだ。そうすることによってはじめて、日本は国民をあげてアジア諸国に謝罪できるのである。」
 天皇(ヒロヒト氏亡き今は、ワルイが世襲した息子さんに代理してもらうしかない)をはじめとする責任者の日本国民への謝罪、それに続く国民国家としてのアジア諸国への謝罪、これを通して、日本の憲法や安全保障を巡る日本内外の不毛な状況に終止符が打てるのではないか。そう天木は言う。

 上に取り上げた天木の考えは、「敗戦後論」(講談社)の 加藤典洋 の考え方に共通するものがある。「敗戦後論」は右翼だけでなく旧来の左翼からも批判非難された書だ。しかし僕は、加藤の「敗戦後論」には共感した。

 もう一度自らの手で作り直す。困難な課題だ。日本人の「民度」が試される。ロクな結果にならないかもしれない。僕は個人としては最後までロクでもない状態には抵抗したい。それでも国民の合意で本当にロクでもない状態が改めて作り出されるのなら、日本に永住する僕と僕の家族は(息子はいつかナントカ人と結婚してどっかに行ったりもするのかな、笑)、一定の制約は受けることになるだろう。その時は、そのなかでやれるだけの抵抗をするしかない。妻子のためだと思えば「できる」かもしれない。それが自らのためでもあるからだ。

以上、エゴイスト左派の雑文でありました(「あっし」と「私」で始まった一人称は「俺」「オレ」となり最後には「僕」になっていたおれであった)。


03年11月 8日(土)   日本のイラクへの支援、暴君ブッシュへの協力

 本日の2本目。

 11月 6日の朝日に、陸上自衛隊(日本陸軍)イラク派遣候補地のイラク南部はサマワ市評議会(米英占領当局が任命したイラク統治評議会の下部組織)が、先月下旬に同市を訪れた日本政府調査団に手渡した日本からの支援についての要望書の内容が報道されていた。浄水設備、排水網整備、学校建設、医療機器、病院設備、救貧院・孤児院建設、高齢者・障害者施設建設等々、15項目全て民生支援の要望であった。

 同じ日の朝日によれば、イラク統治評議会から委託されて新憲法の制定方法を調査していた準備委員会のマアスーン委員長が取材に応え、「日本への期待は」との質問に答えてこう言っている。
「広島など日本は戦争で破壊されたのに、戦後、新しい憲法を作り、経済的に成功した。イラクにとって、日本の体験は大いに参考になる。支援は大歓迎だ。」
 歓迎する支援が軍事面でないことは明らかだろう。

 同日の夕刊には、同じ外務官僚出身でも天木直人とはえらい違いの、イラク視察中の岡本行夫・日本国首相補佐官によるバグダッド市内での記者会見に関する記事が出ていた。
岡本曰く、「日本も(テロの)標的になることは免れない」が「ここで退いてはテロリストの思い通りなる」から、日本政府の支援政策は変更してはならない。おまえは現地で陣頭指揮取るのか!?
 翌日の夕刊第1面には、日本陸軍(陸上自衛隊、カッコ内外はもう逆にしたよ)は、自爆テロ対策として、携帯用の対戦車弾を携行する方針との記事がおどっていた。第3面には、国連報道官が、国連外国人スタッフ全要員のバグダッドからの退去が完了したと発表、前日 6日中に最後まで残っていた約20人がキプロスに向かい、復帰の目途は立っていないとの小さな記事が出ていた。

 国連を無視して米英が始めたイラク攻撃と同国占領。11月 7日の朝刊には、イラク攻撃直前にも、イラク元情報機関トップが、レバノン系アメリカ・ビジネスマンを通じて戦争回避の打診をアメリカ側にしていたという記事が出ていた。当の仲介ビジネスマン(著名なビジネスマンらしいがイマド・ハジ氏って名の人物ら)がニューヨーク・タイムスやABCに語ったとのこと。
 国連の査察進行を無視するアメリカに対し、「大量破壊兵器はもはや持っておらず、米軍と専門家による捜索を受け入れる」とまで持ちかけていたとのこと。結局アメリカ政府側が取り合わず、交渉は成立しなかった。

 国際社会はどこまで暴君ブッシュとその取り巻きの横暴に振り廻されなくてはならないんだろう。


03年11月 8日(土)   世界の脅威、アメリカとイスラエル

 本日の3本目。

 11月 4日の朝日夕刊によれば、EUが加盟15ヶ国の約7,500人を対象にした世論調査の結果を発表した。アメリカや中東、アジア諸国、ロシアなど14ヶ国の名を挙げて、世界平和に対する脅威になっている国はどこかと尋ねたもので、その結果は以下の通り。

 1位 : イスラエル (59%)
 2位 : アメリカ   (53%)
 2位 : 北朝鮮   (53%)
 2位 : イラン    (53%)

 2位アメリカの結果に対し、アメリカ国務省のエアリー副報道官は、実態と非常に離れた認識だと反論したとのこと。

 11月 6日の朝刊によれば、第1位となったイスラエルの政府も反ユダヤ主義だと反発、現在のEU議長国イタリアに正式抗議したらしい。EUのプロディ欧州委員長も、この世論調査の結果を受け、反ユダヤ主義助長への懸念を表明したとのこと。

 イスラエルと欧州の関係はややこしい。中東の暴君国家イスラエルが生まれたことの背景には、間違いなく過去の欧州における反ユダヤ主義や欧州(特に英もしくは英仏)のアラブとユダヤに対する二枚舌、三枚舌外交という 歴史的経緯 があるからだ。

 イスラエルはパレスチナ占領地のうちのヨルダン側西岸地区をコンクリート壁で囲う巨大規模の工事を続けており、パレスチナ人の通学、通勤、通院等の日常生活に想像を絶するほどの支障と脅威を与えている。既に完了した部分は合計140キロ、これまでの分だけで約160キロあったあの「ベルリンの壁」に匹敵する長さになっている。ガザ地区でも似たような現代のゲットー造りを行なっており、自らの苦難の歴史を忘れたかのようだ。

 ここでは余談だが、北朝鮮の脅威は否定しようがない。イランについてはどうか。僕は、歪められたイメージが要因としてあり(ブッシュは以前、この2国にイラクを加えて Axis of Evil 「悪の枢軸」と呼んでいた)、偏見によるところが大きいようにも思う。近年のイランは改革派開放派の力が保守派と拮抗しつつあるし、ハタミ大統領自身は「文明の対話」を求める開明主義者だ。うーん、開明主義って言っても定義問われると容易ではないですけどね。

 日本は昔、ヒットラーのドイツ、ムッソリーニのイタリアと共に、「枢軸国」でした。今は何ですかね。「従属国」かい。


03年11月 9日(日)   世界と自国民を欺くアメリカ

 本日の1本目。

 今日の朝刊から拾ったネタ。

 元イラク戦従軍米兵ジェシカ・リンチさんの話。
 彼女はこの 8月に退役したが、イラク攻撃開始からほどなく「イラク軍の捕虜となり米軍特殊部隊による収容先イラク側病院からの電撃的救出作戦で解放されて」、戦争のヒロインとして大々的に宣伝された人ですね。
 11月11日に体験記を出版する予定で、それに合せてABCテレビのインタビューが放映予定、一部が先立ってニュース番組で紹介されたそうです。内容は笑うに笑えない「アメリカによる自国民及び世界に対する詐欺作戦」を明らかにするものです。

 米軍当局によれば、ジェシカさんが米英のイラク攻撃開始後の 3月23日に「捕虜」になったのは「イラク軍に応戦した末、敵弾で重傷を負った」ことによるものということになっていました。
 本人によれば、実際は、襲撃を受けて混乱した味方の車どうしが衝突した事故が、負傷の本当の原因だったそうでして。

 米軍の特殊部隊は 4月 2日、イラクの病院からジェシカさんを救出。「劇的な」救出場面が全米及び全世界に繰り返し流されました。
 本人はこう言って米軍当局の演出を非難しています。曰く、なぜ米軍が撮影しているのか理解できなかった、自分は負傷していて、救助だけが必要だったのに。

 ジェシカさんはアメリカに帰国後、自分が戦争のヒロインに祭り上げられていることを知って傷ついたそうです。
 彼女はイラクの病院関係者には感謝している様子を見せ、こう語っているとのことです。曰く、誰も私をたたいたり、張り飛ばしたりしなかった、生きていられるのは彼らのおかげだ。
 ことほど左様に、アメリカは自国に有利になるとなれば、何でもやる国です。平気でウソを言い、人を欺きます。未だにみつからないイラクの大量破壊兵器の問題しかり、遠くはベトナム戦争時のトンキン湾事件しかり。
 「サダム・フセインは世界を欺いている( deceiving )」と言ってアメリカのイラク攻撃を正当化した世界の暴君ブッシュは(それが本当であってもソレだけでイラクの罪の無い民を犠牲にする攻撃の正当化はできません)、そのコトバがノシを付けられて自分自身に返されてくることを知らなければなりません(バカだから無理か)。 ・・・ しかし、そんなバカが世界唯一のスーパーパワーのリーダーになっているなんて(茫然・・・)。

 紆余曲折説得恫喝(?)の末にようやく国連安保理決議でイラク派遣を決めた多国籍軍ですが、10月16日の決議採択から3週間以上経っても、まだ立ち上がらないそうで。指揮国となるアメリカが概要を決め、安保理に報告する責務を負うってことですが、新たな派兵を申し出る国がないからです。トルコもイラク側から難色を示され、派兵を断念しました。
 アメリカ政府高官はこの 7日、米英中心の「連合軍」に参加する「32ヶ国が既に多国籍軍だ」との見解を示したそうです。 32ヶ国とはどういうカウントでしょうか。「自民党」政権前提で、陸上自衛隊という名の日本陸軍派兵を閣議決定前から確定的に「内定」している日本は入ってるんでしょうか。
 安保理決議採択時には、「連合軍」とは別に改めて「多国籍軍」が設立されるという理解が一般的だったそうです。今ある「連合軍」って、国連決議とは何も関係ないですね。実際には、国連と国連による査察進行をも無視してアメリカが強行した、アメリカの世界戦略のための、アメリカ主導の戦争部隊に過ぎません。こうやって、アメリカは世界を欺きつづけるわけです。意図してやる時もあれば、そうなる可能性折り込み済みでやる時もある。北朝鮮と共に「悪の枢軸」ならぬ「欺瞞の枢軸」、Axis of Evil ならぬ Axis of Deception とでも名乗ったらどうでしょうか。

 国連の要員だけでなく、赤十字国際委員会も撤退し始めているようです。遠くイラン・イラク戦争が始まった'80年以来、イラクに常駐職員を置いてきて、今春のアメリカによる攻撃中も活動を続けていたそうですが、国際職員(外国人職員)は現在、ほぼ全員が国外に出ており、バグダッドと南部のバスラの事務所を一時閉鎖することにしたと、8日に同委員会が発表しています。

 先の日本の国会で、イラクに大量破壊兵器があって国連の査察ではみつけられないからって言ってたイラク攻撃正当化の理由はどうなったのか(そんな理由で正当化できるのもオカシイですが)と問われた我がニッポンの悲しき無能ソーリ小泉氏は、「今フセインがみつからないからって、イラク戦争前にフセインがいなかったことになるのか」なんて子供でも笑っちゃうようなお粗末な反論をしていました。フセインがいたのは誰もが知っていたことです。「イラクの独裁者」として、世界中の人が知っているような人だったじゃないですか。大量破壊兵器は、「あるかどうか分からない」もしくは「あるという疑いが否定できない」から国連が大量の要員を動員して査察し、国際社会の監視を続けていたのです。その査察の効果がようやく見えてきたその真最中に、アメリカは当初予定通りにイラクを攻撃したのです。相手が独裁国だろうが何だろうが、侵略戦争以外のナニモノでもありません。小泉クンってバカなのかブッシュ君とそんなにお熱い関係だからなのか(惚れたハレタのレンアイを外交と混同しちゃいけませんねぇ)、本当に困ったソーリです。まさか日本の皆さん、こんなヤツが率いる党に投票したりしてませんよねぇ。
 心配だぜ、全く。


03年11月 9日(日)   参政権を行使しよう、投票しようよ、自民党以外に

 本日の2本目。

 今朝、息子を連れて妻子で投票しに行きました。息子にも投票させたかったなぁ(笑)。息子の将来にも重要なことなんです。

 投票所入口に、我が県の選管発行の「衆議院比例代表選出議員選挙選挙公報」(これ誤植じゃないよ、わかりにくい言い方だよねぇ!)の日本国我が地方版が置かれていました。
 1面にコイズミの顔写真と共に自民党の選挙広報。コレが表になるように二つ折りにされて、20部ぐらい置いてありました。
(おれ)「おいおい、何で自民党のだけ置いてあるんだよ!」
(つま)「民主党は人気あって持ってかれちゃったんじゃないの。」

 「でもなぁ、これから投票に来る人もいるしなぁ・・・」とつぶやきつつ、私はその山積み(ってほどの高さじゃないけど)の広報から1部手に取って、数頁モノであることに気づき、頁をめくってみました。
 おいおい、裏の2面は上から「社民」「公明」「共産」の順、3面の全面が菅直人の写真付き「民主党」広報だぜ。なんで1面全面「自民党」で、なんで全部ご丁寧にコイズミ写真の上半分を表にして二つ折りにして揃えて山積みにしてるんだよ。センカン、インチキはやめろよ。投票所の手前まではっきり意思が固まらない無党派が、手にも取らないでコイズミの写真だけ眼に止まって自民党に入れたりしたらどうなるんだよ。いったいセンカンの仕事って何なんだよ。公正に選挙を管理することだろーが。公正にするための県選挙管理委員会発行の選挙公報なら、我が地域に該当する政党それぞれに同じ大きさのスペース与えて、入口に貼り付けるなり、各党ごとに山積みにするなりしたらどうなんだ!? ええっ、どうなんだよ、おまえら。

 こう思った私は、我々同様に怒る息子と共に、山積みのうちの半分ほどを取り、全て3面の「民主党」の頁が上になるように二つ折りして、1面「自民党」の山積みと並ぶように置き換えてやったよ。センカンさんよ、これで多少は公正に近づいたぜ。おれはあんたらがやるべき仕事の一部をやったようなもんだ。センカンさんの人件費の一部もらいたいくらいだぜ。「社民」「公明」「共産」には未だ不公平だけどさ。

 えー、ランボーな言葉は失礼。今夜は選挙速報番組観ます。あなたがこの日記を読んでくれていて、もしも未だ投票してなくて、未だ間に合う時間でありましたら、是非とも今から投票に行かれますように宜しくお願いします。いや、おれがお願いすることじゃないか。他の有権者に頼まれて投票に行ってもなぁ・・・。とにかく、投票しよう。

 あ、もちろん比例にも小選挙区にも投票しましたよ。
 最高裁裁判官の審査は全部 × 。こっちはちょっと不真面目だっだかなぁ。いつもはよーく資料見て決めてるんだけどね、コレって選挙の時しか便利な情報は出ないよね。普通に生活してて、最高裁裁判官一人一人の法務の動向は追えないよ。紙切れだけでは判断難しいのですよ。まず落ちたってハナシも聞かんでしょ。キンチョーカンもあんまりないと思うんだ、この審査の時って(審査される側の人たちね)。まぁ転石転倒男の私なんか、こんなこと言うだけでもちょっと苦しいとこありますけどね。気持ちとしてはキンチョーカンのために × 付けたんだけど、実質的な意味は発揮されんなぁ。

 ・・・ 前述しましたように、私は今夜は選挙速報番組観ます。敢えて不遜な言い方をさせていただきますが、今現在の日本の「民度」が問われる選挙、その結果の感想は次の週末辺りに3行ぐらい(笑)書くことにしましょう(平日は忙しいし、眠いんや、でも眠れないんや)。


03年11月 9日(日)   ついかんバッティングセンター

 本日の3本目。

 今日は息子が珍しく野球練習休止日(どうも投票日ってこととは関係ないみたいだけど、事情はよくわからん)。息子の希望で、家族3人でバッティングセンターに行きました。
 親ばか言わせてもらうと、息子の構えはイイ。スウィングもシャープ。あとは芯でとらえることと(反射神経が重要だろうけど練習である程度は向上するはず!)、腕力増強がカギかな。今日見てたら、けっこうイイ当たりしてました。長打性の当たりもわりとあったな。イイぞ。
 妻もやったが難しそうだったね。でもがんばってスウィングして楽しんでました。

 あっしもやりました。 あっしは椎間板がイケナイ状態続いてます。
 大丈夫なんでしょうか。
久しぶりにバット振りましたが、ついかんばん気になって振り遅れるし、芯でとらえられんし、力が出ないし、身体が振り廻されるし。 ・・・ ああ、椎間板バッティングセンター ・・・。

 私のついかんバッティングセンターと妻子のバッティングセンターが終わると、3人で昼ご飯食べて、それから帰宅しました。

 今週はニール・ヤングに会います、逢います。

 always try to be nice to the one I love

 A little love and affection
 In everything I do
 Will make the world a better place

 僕は納豆が好きです。妻子も納豆好きです。
 僕は粘っこく、勝手に生きます。愛する家族と共に。
 僕は粘っこく、勝手に生きます。
 時折り「社会」にもメッセージを出しながら、たまには微力でも出しながら。
 この 日本国南東北に永住しつつ。


 ・・・ 2本目にも書きましたが、私は今夜は選挙速報番組観ます。敢えて不遜な言い方をさせていただきますが、今現在の日本の「民度」が問われる選挙、その結果の感想は次の週末辺りに3行ぐらい(笑)書くことにしましょう(平日は忙しいし、眠いんや、でも眠れないんや)。

以上、生粋のエゴイスト左派、ロックな日常を求めるパラノイド・スキゾフレーニア の、本日の回転日記でした