JEFF BECK

BLOW BY BLOW

1. You Know What I Mean  2. She's A Woman  3. Constipated Duck  4. Air Blower  5. Scatterbrain  6. Cause We've Ended As Lovers  7. Thelonious  8. Freeway Jam  9. Diamond Dust

1975年発表。ヤードバーズ、ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート&アピスなどを経たジェフが、全編インストゥルメンタルのギター・アルバムとしてリリースした意欲作。っていうか、当時このアルバムはロック界にかなりの衝撃を与えていたと思う。僕はその頃、中3かな。たしか兄貴が買ってきて(もちLPね)、リアルタイムで聴きました。とにかく、かっこいいアルバムだって思ったな。ジャケットも良かったし。まさしく孤高の天才ギタリストってイメージでした。

1 からノレます「わかってくれるかい?」。そのエンディングから繋がって、2 はビートルズの曲ね。
5 は、そそっかしいヤツ、注意散漫な人って意味ね。その他、スペース・アルクでチェックすると(笑)、気が散る、そわそわした、落ち着きがない、って感じかな。いや、コレ、そういうニュアンスよく出てる曲なんですよ。

6 はスティーヴィー・ワンダーの作。BBA時代にジェフはスティーヴィーから提供された Superstition(迷信)をレコーディングしてバンドの唯一のスタジオ・アルバムに収録してるんだけど、スティーヴィーが先に自分で歌ってリリースしてヒットさせてしまって、それ以来二人が仲違いしていたのが、その後に「仲直り」して改めてその印に(?)スティーヴィーがジェフに贈った曲。アルバムには Dedicated to Roy Buchanan とも記されていて、当時若くして(たしか)死んでしまった名ギタリスト、ロイ・ブキャナンに捧げられた演奏ってことらしい。
・・・いや、まぁ兎にも角にも聴いてくれ、間違いなくロック史に残る名曲、名演。

7 もスティーヴィー作曲。ファンキーにキメてます。

8 はノリノリでまたかっこいいね。曲名にピッタリ。

BLOW BY BLOW って、スペース・アルクでは blow by blow【形】<→blow-by-blow> 詳細に、詳しく、いちいち、逐一 ・・・って出てるんだけど、blow ってのは、殴打、一撃、強打って意味があるから、このアルバムはベックのギターの『一撃一撃』の破壊力(音量のことではありません)と同時に併せ持つクールさを感じたらいいかな。当時のリスナーの受け取り方としては、衝撃って意味合いもいいけどな。1曲ずつ、あるいはワン・フレーズごとに衝撃だね。風が吹くってのもナイスかね。

むかしむかし、クラプトン、ベック、ペイジはロックの三大ギタリストなんて呼ばれてたね。なんかのアルバムのライナーに「童歌にもうたわれた『三大ギタリスト』」なんてフレーズがあったな。今となっては「三大ギタリスト」なんて言い方は死語に近いだろうけど、当時はそういう時代でした。歴史上の言葉としては残るのかな(笑)、“ CLAPTON IS GOD.”みたいなフレーズのようにさ。
僕はクラプトンのファンだけど、ジェフ・ベックも好きだな。好みはいろいろだろうけど、ギターのテクニカルな上手さからしたらベックが上でしょう。ちなみにペイジもツェッペリン時代のものはまぁ常識の範囲で(??)聴いてるけど、(嫌いってわけではないけど)あんまり好きではないな。

ベックは本当に切れ味鋭いギターマン。上にも書いたけど、孤高のギタリストって言葉がハマリます。再来月、来日公演に行ってくるよ。楽しみだね。
(ここでジェフとかベックとか書いたけどさ、昔はベックの一言でよかったのに、今はたしかベック一語の他のアーティストいるもんね。ややこしいわ。僕はそっちのベックは聴いてない。イイかどうかも知らん。僕が好きなのはジェフ・ベックさんね。)

(2005年5月15日、記)